"懐中時計に代わって本格的な普及が始まったのは20世紀に入ってからである。

19世紀以降、携帯用の時計として一般的であった懐中時計は、時刻を読もうとするたびにわざわざポケットから取り出す(場合によってはさらに、風防ガラスを防護するための金属製の蓋を開ける)時のかかる動作をしなければならなかったが、手首に巻いておけば、即座に時刻を読み取れるという利便性がある。

日本語では「時計」で総称されているが、英語ではこれら以外の置時計や掛時計といった身につけない時計はクロック(英語:clock)であり、日本でも業界ではもっぱらこの英語における分類に準じて扱われている。

ただし、邪魔にならないような形で腕に時計を巻きつけるためには、時計を充分に小型化する必要があり、それは決して容易ではなかった。

ベルト(帯、バンド)に時計本体が組み合わせ・固定され、これを手首に巻いた様子で携帯でき、かつ視認可能な小型の時計である。

英語では懐中時計(英語:pocketwatch)も含んでウォッチ(英語:watch)、あるいは特に区別する時はリストウォッチ(英語:wristwatch)と言う。

また行動中に懐中時計を視認する場合、手のひらに持って視認する不可欠があり、時間確認の間は時計を持った手がふさがってしまうが、手首に巻いておけば視認の動作は一瞬であり、どんなときでも両手の手・指が全て使える。

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